「夢想神伝流 居合道」
山蔦 重吉
鞘の内
居合に鞘の内の勝ちという言葉がある。武道の真髄は、刀を抜かずして敵に勝つ
ところにある。抜かずして敵を圧する武威は、長年技の鍛錬をし、精神修養を怠らず
努めた結果、その人に備わるもので、こうした人の前に出ると竦(すく)んでしまうもの
である。こうした勝ちを鞘の内の勝ちという。
また、敵の刀が鞘の中にあるうちに、機先を制して敵に勝つといった意味も含まれ
ている。
--------------------------------------------------------------------------------
※日本の居合道を修行する大半の人が、「夢想神伝流」である。その基本となるよ
うな本で、初伝(12本)、中伝(10本)、奥伝(21本)が写真と解説付きで載ってい
る。非常に参考になる本である。
平成27年11月6日 記