三番叟(さんばそう) 別名 黒式尉(こくしきじょう)
能の演目は,1番から5番までに分類される。しかし,能「翁」が演じられる場合は,すべてに優先される。能「翁」は,農村の祭りの行事が次第に演劇化されたものであるとされ,神聖化されていて特別な祝いの折りに舞うことになっている。祝いの儀式といった感があり,天下太平五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈るものである。
能「翁」では,翁の面(白式尉)を付けたシテが舞った後,黒式尉を付けた三番叟が,面白おかしい身振りで舞い終了する。ある説では,翁は地主をあらわし,三番叟は小作人を象徴したものとする。