常石 英明

        「鐔(つば)の鑑定と鑑賞」 
                      常石 英明  
  第一編鐔の用語
 金工の意義と種類
   金工とは、鉄や赤銅(しゃくどう)、真鍮(しんちゅう)などの色々な金属に、特殊
  な技法を用いて細工を施す職人を指す言葉です。
   昔は、一般に金工といえば、金属を材料として、特殊の技術を加えて、金具な
  どの原型を作る下地師(白金師)をいい、この原型に彫刻する人々を彫刻師と
  呼んでいました。
    しかし、一般的には徳川時代以降、主として鐔や小柄(こづか)などの刀装用
  金具類の製作を本業、或いは副業とした人々をこう呼んでいました。そして、そ
  の作品には彫刻や象嵌(ぞうがん)が施されています。
    彫刻の方法には、毛彫、片切彫(かたぎりぼり)、高肉彫(たかにくぼり)、透
  彫(すかしぼり)、象嵌などの方法があります。
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※日本刀は、分業によって作られている。刀匠、研ぎ師、鐔師、巻師、鞘師などの
多くの職人が関わっている。そのため、鐔、目抜き、縁頭(ふちがしら)、小柄など
小物の収集にも適している。私は、鐔を収集しているが、その形状は様々でその
世界は小宇宙とも言える。象嵌の鉄鐔を好んで集めている。
  
 
真鍮の平安城鐔     金、銀、赤銅象嵌の鉄        魚々子(ななこ)地の縁頭
                平成27年11月26日 記