吉田松陰

                辞世
                  吉田松陰

      吾今国の為に死す
      死して君親に負(そむ)かず
      悠々たり天地の事
     観照明神(かんしょうめいしん)に在り
【口語訳】 
 今、私は国の為に命を捨てようとしている。ここで死んでも、すべて国の為を思ってしたことで、君公と両親の恩義にそむくところは少しもない。天地間のことは、悠々として果てしもない。この忠誠こそ、神のみがご覧下さっていらっしゃる。

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※ 処刑されるに及んで自ら感じたままを詠んだ詩。安政6年(1859年)10月20日、処刑の七日前に、獄中から郷里に送ったものである。久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、山縣有朋、吉田稔麿、入江九一など、幕末、明治時代に活躍した人たちを松下村塾で育てている。まさに、人材育成という観点から教育者の鏡であり、教育の原点がある。教育に携わる人は、その教育の在り方を学んでほしい。
 脱藩して各地を放浪している時、水戸にも滞在し会沢正志斎(『新論』の作者、彰考館総裁)と親しく歓談している。
          平成26年9月8日 記