陶淵明

       雑詩六
             陶淵明

  家を傾けて持って樂しみを作(な)し
  此の歳月の駛(は)するを竟(お)へん
  子有るも金を留めず
  何ぞ用ひん身後の置(はからひ)を

【口語訳】
 全財産をはたいて楽しみをつくし、時の流れに身を任せよう。子があっても金を残すことはすまい、ましてや自分の死後のことなど考えることはやめよう。

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※ 「兒孫(じそん)の爲に美田(びでん)を買はず。」とは、西郷隆盛の弁である。後顧に憂いを残すことはやめ、西郷隆盛の考えを踏襲しよう。
 上記の詩は、 「雑詩六」の後半の部分である。
              平成27年6月6日 記