杉山杉風(すぎやまさんぷう)

    杉山 杉風

芝草やまだはつ春のかれ野塚
花の陰我草の戸や旅はじめ
ふりあぐる鍬の光や春ののら
おぼつかな土用の入の人心
行馬の跡さへ暑きほこり哉
卯の花にぱつとまばゆき寝起哉
杜若花あるうちは降れ曇れ
みるうちに畔道ふさぐ刈穂哉
稲刈のあいのはやしや高笑ひ
手をかけて折らで過ぎ行く木槿(むくげ)かな
両の手に朝茶を握る寒さかな
しら萩やなを夕月のうつりぎは
つめたさの身にさし通す冬の月
このくれも又くり返し同じ事
餅きりに残らぬ年の仕舞かな
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※杉風は、蕉門十哲の一人。芭蕉を経済的に支えた。『奥の細道』の冒頭に「杉風が別墅(べつしょ)に移るに、」とあるが、その「杉風」とは、杉山杉風のことである。芭蕉は、「杉風へ申し候。ひさびさ厚志、死後まで忘れ難く存じ候。不慮なる所にて相果て、御いとまごひ致さざる段、互に存念、是非なきことに存じ候。いよいよ俳諧御つとめ候て、老後の御楽しみになさるべく候。」と杉風に最期の言葉を残している。
            平成27年12月20日 記