坂村 真民(さかむらしんみん)

     二度とない人生だから
                 坂村 真民

  二度とない人生だから
  一輪の花にも
  無限の愛をそそいでゆこう
  一羽の鳥の声にも
  無心の耳を
  かたむけてゆこう

  二度とない人生だから
  一匹のこおろぎでも
  ふみころさないように
  こころしてゆこう
  どんなにか
  よろこぶだろう

  二度とない人生だから
  一ぺんでも多く
  便りをしよう
  返事は必ず
  書くことにしよう

  二度とない人生だから
  まず一番身近な者たちに
  できるだけのことをしよう
  貧しいけれど
  こころ豊かに接してゆこう

  二度とない人生だから
  つゆくさのつゆにも
  めぐりあいのふしぎを思い
  足をとどめてみつめてゆこう

  二度とない人生だから
  のぼる日しづむ日
  まるい月かけてゆく月
  四季それぞれの星々の光にふれて
  わがこころをあらいきよめてゆこう

  二度とない人生だから
  戦争のない世の
  実現に努力し
  そういう詩を
  一編でも多く
  作ってゆこう
  わたしが死んだら
  あとをついでくれる
  若い人たちのために
  この大願を
  書きつづけてゆこう
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※人間の幸せとはどのようなことなのか、投げかけている。多くを望まず、生きていることに感謝したい。
         平成28年5月1日 記 



 生きるのだ 
      坂村 真民

  いのちいっぱい
  生きるのだ
  念じ念じて
  生きるのだ
  一度しかない人生を
  何か世のため人のため
  自分にできることをして
  この身を捧げ
  生きるのだ 
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※坂村真民は、仏教詩人。癒しの詩人として知られている。そうだ、この世に生を受けたのだから、精一杯生きるのだ。
         平成27年12月15日 記