尾崎放哉
尾崎放哉
咳をしても一人 墓のうらに廻る 足のうら洗えば白くなる こんなよい月を一人で見て寝る 一人の道が暮れて来た 障子しめきつて淋しさをみたす にくい顔思ひ出し石ころをける 犬よちぎれるほど尾をふつてくれる 児に草履をはかせ秋空に放つ あるものみな着てしまひ風邪ひいている 人を待つ小さな座敷で海が見える 雀のあたたかさを握るはなしてやる ------------------------------------------------------------------------------ ※自由律俳句(季語や定型にこだわらない俳句)の代表的俳人。種田山頭火と並び称される。心の有り様を率直に表現していることに共感を覚える。個人的には、有季定型の俳句が好きだが、種田山頭火も尾崎放哉も興味深い。 平成28年12月11日 記 |