小野小町

          小野小町

花の色はうつにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに
思いつゝぬればや人の見えつらん夢と知りせばさめざらましを
うたゝねに恋しき人を見てしよりゆめてふ物はたのみそめてき
いとせめて恋しき時はぬばたまの夜の衣をかへしてぞきる
色みえでうつろふものは世の中の人の心の花にぞありける
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※絶世の美女として有名であるが、その出自や終焉の地など伝説的なことに彩られている。そのため、能や歌舞伎の題材として取り上げられている。能では、「通小町」「関寺小町」「卒塔婆小町」などがあり、落魄した乞食として描かれ哀れな姿を表している。それも世の常、時の移ろいとともに老いてゆくのが、生きとし生けるものの定めである。いつまでも若く美しくありたいとの妄執にとらわれ、老いることを受け入れられない人は、ある意味哀れである。年相応に老いていくのが、自然の摂理というものではないのか。
 土浦市(新治地区)に小野小町の墓があり、終焉の地との伝説が残っている。現在、「小町の里」 として整備されている。
              平成26年8月12日記