足利義政
憂き世ぞとなべて云へども治め得ぬ我が身ひとつにただ嘆くかな
くやしくぞ過ぎしうき世を今日ぞ思ふ心くまなき月をながめて
板間もる月こそ夜の主なれ荒れにしままの露のふるさと
何事も夢まぼろしと思ひ知る身には憂ひも喜びもなし
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※応仁の乱の要因をつくるなど、卓越した室町幕府の将軍と成り得なかった。そのため、文化人としての道に流れていく。東山に山荘を作り、晩年はそこで過ごしている。
そこに作られたのが、東求堂や銀閣である。将軍としての統治能力のなさが、かえって東山文化を生み出し、日本人の精神にも強い影響を与えているのは皮肉なものである。将軍としての力量のなさや身の不遇を嘆く歌が多い。
平成26年11月10日記