能楽堂・能舞台

                金剛能楽堂
  金剛能楽堂(京都市)は、旧金剛能楽堂より、能舞台が移築され、平成15年に開館しました。金剛流は、能楽シテ方五流派(観世流・金剛流・宝生流・金春流・喜多流)の一つで、他の四流の宗家が東京を本拠地にする中、関西に宗家が在住する唯一の流儀です。毎年7月には、金剛家 能面・能装束の虫干しが行われ、一般に公開されます。

           
             金剛能楽堂   平成25年7月20日撮影
        「虫干し」の様子 舞台には能面が並び、堂内等には能装束が並ぶ
              平成27年10月1日 記



                 厳島神社能舞台 
 広島県の厳島神社には、国指定重要文化財の能舞台があります。現在の舞台は1680(延宝8)年に広島藩主・浅野綱長(1659-1708年)により造営されました。潮が満ちると舞台が海の上に浮かんだようになり、神社とともに独特の景色を醸し出すということです。足拍子の響きをよくするため、能舞台の床下には甕(かめ)を据えることが多いのですが、厳島神社の能舞台はそれができないため、床板を受ける根太(床を支える横木のこと)の間隔を広くするなど、張り方に工夫をしています。


     
                  厳島神社能舞台   平成24年8月24日撮影
          

          秋初め風波の調べ能舞台         山崎秀峰
          鴬や十戸(じゅうと)の村の能舞台   大町桂月
          小夜ふけし鼓の春や薪能          正岡子規
          一面に月の江口の舞台かな      高浜虚子
          薪能小面映ゆる片明り              河東碧梧桐
          夢に舞ふ能美しや冬籠         松本たかし



                国立能楽堂
  東京千駄ヶ谷にある「国立能楽堂」は、1983年能楽の普及と公演のため作られました。格調が高く、常設展も開催していますので、機会がありましたら足を運んでみてはいかがでしょうか。

              
               国立能楽堂   平成26年6月1日撮影



                  矢来能楽堂
  東京神楽坂にある「矢来能楽堂」は、観世九皐会所有の能楽堂です。矢来観世家・観世九皐会の本拠地として活動の拠点となっています。昭和27年に現在の舞台・建物が建てられました。 比較的小さくできていますので、演者との距離が近く親近感が感じられます。是非一度ここで能楽を観てもらいたいと思います。
 
              
              矢来能楽堂    平成26年3月1日 撮影