中村 草田男(なかむらくさたお)

         中村 草田男

  降る雪や明治は遠くなりにけり
  この日雪一教師をも包み降る
  萬緑(ばんりょく)の中や吾子(あこ)の歯生え初むる
  冬の水一枝(いっし)の影も欺かず 
  勇気こそ地の塩なれや梅真白
  葡萄食ふ一語一語の如くにて
  校塔(こうとう)に鳩多き日や卒業す
  ハマナスや今も沖には未来あり
  町空のつばくらめのみ新しや
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※ 中村草田男の人間生命賛歌は、どのような場合にも自然を離れることはなかった。しかし、それは自然そのものの再現ではなく、形而上的(けいじじょうてき)なものに高められた。「降る雪や・・・」「萬緑の中や・・・」「冬の水・・・」など、人口に膾炙(かいしゃ)する句が多い。「校塔に・・・」卒業式の祝辞に引用できる。

             平成30年3月13日 記