中村汀女(なかむらていじょ)

        中村汀女

   咳の子のなぞなぞあそびきりもなや
   あはれ子の夜寒の床の引けば寄る
   引いてやる子の手のぬくき朧かな
   泣いてゆく向ふに母や春の風
   みちのくの子の寒がりよ春時雨
   ねんねこに母子温くしや夕落葉
   竹馬を今はかつぎて母のもと
   目をとぢて秋の夜汽車はすれちがふ
   秋入日しばらく染めし寺座敷
   外(と)にも出よふるるばかりに春の月  
   年ごろの似てかえりみて曼珠沙華(まんじゅしゃげ)  
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※女性らしい優しさで子どもを見詰めた俳句が多い。以前、保育園が開園できないとのニュースが流れた。近隣住民が子どもの声がうるさく迷惑だという理由だった。子どもの声を騒音だと言ってしまっては、事ここに極まれりという印象だ。自分たちも子ども時代があったはずだ。子どもの声が聞こえてこそ、平和な時代の営みではないか。子どもは、国の宝である。子殺し、虐待、育児放棄、さらには保育園の開園反対運動等、子ども受難の時代である。その上、出生数は年々下落して、1973年(昭和48年)の2,091,983人が2017年には941,000人になってしまっている。人口減少にさらに拍車をかけるだろうと心配だ。私の近隣でも空き家が目立つようになってきた。中村汀女のような心情で、子どもを愛育してほしいものだ。
         平成30年2月6日  記