孟子
「孟子」
道はちかきに在り、而(しか)るにこれを遠きに求む。
【口語訳】
人間の行う「道」は、なにも高遠なところにあるのではなく、日常の身近にある。
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※剣道の大家である小川忠太郎は、「人間の道とはどういうことかと言うと、当たり前のことを当たり前にやる。これが人間の道なのである。これを修行する。こういうことは、言うことは易いが、一生修行しても完全に出来得るものではない。」と述べている。まさに孟子の主張するところである。日々、己のすべきことをしっかり行うことだ。常住坐臥、修業だ。
令和元年12月26日 記
「孟子」
天の時は地の利に如(し)かず、地の利は人の和に如かず。
【口語訳】
天の時よりは地の利が、地の利より人の和のほうが重要だ。
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※組織が苦境にある時は、内部がまとまっていることが不可欠である。そのためには、指導者の行動が関わってくる。
平成27年4月9日 記
「孟子」
心を養うは寡欲(かよく)より善きはなし。
【口語訳】
心をより良くするには、欲を抑えることである。
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※古来より、欲を断つことを修行の第一とする人は多い。吉田兼好も「人は己をつゞまやかにし、奢(おご)りを退けて、財(たから)を有たず、世を貪(むさぼ)らざらんぞ、いみじかるべき。昔より、賢き人の富めるは稀なり。(徒然草18段)」と述べている。人間にとって難しいから、そのように述べているのだろう。欲望の僕(しもべ)になってはならない。
平成27年4月3日 記
「孟子」
人を存(み)るには眸子(ぼうし)より良きはなし。眸子はその悪を奄(おお)うこと能わず。胸中正しければ眸子も瞭(あき)らかに、胸中正からざれば眸子も眊(くら)し。その言を聴きて、その眸子を観れば、人なんぞ痩(かく)さんや。
【口語訳】
人を見極めるのには瞳が一番よい。瞳で自分の悪を隠すことができない。心の内が正しければ瞳も澄んでいるが、正しくなければ濁っている。言葉を聞いて瞳を見れば、その人の心の有り様が分かる。
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※まさに「目は口ほどにものを言う」である。心の卑しさは、その表情に現れるのである。孟子は、紀元前の戦国時代中国の儒学者で、儒教では孔子の次に重要な人物となっている。その言行をまとめた書が『孟子』で、四書の一つである。
四書・・・『大学』『中庸』『論語』『孟子』の四つの書物を総称したもの。
平成27年3月31日 記
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