正岡 子規

                正岡 子規    

瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり
瓶にさす藤の花ぶさ花垂れて病の床に春暮れんとす
くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨の降る
下野の那須野の原の草むらにおぼつかなしや撫子の花
いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春行かんとす
火に焼けず雨にも朽ちぬ鎌倉のはだか仏は常仏かも
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※上二つの短歌は、病床からの写生である。この頃には、起きあがることすらできなくなっていた。まさに病床六尺。この短歌に出会ったのは、中学3年生の秋のこと、光村図書の国語の教科書に掲載されてあった。もう約50年以上も前の話である。爾来(じらい)、常に座右にある。
         平成28年12月15日 記