孝 経

               孝 経(こうきょう)     

身体髪膚(はっぷ)これを父母に受くあえて毀傷(きしょう)せざるは孝の始めなり

【口語訳】
 人の身体はすべて父母から恵まれたものであるから、傷つけないようにするのが孝行の始めである。

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※ リオオリンピックが佳境に入ってきた。一流のプレーに感動する場面もあるが、残念なことに海外の多くの選手が体に「刺青」を入れている。「刺青」は、半端者のやることであり反社会的な象徴でもある。しかも、それを誇らしげに見せびらかしている。オリンピックだからこそ、そのような選手を一掃しなければならないだろう。このことは、野球の大リーグやサッカー選手の中にも蔓延している。まことに残念である。
 オリンピックで活躍するためには、見えない所でどれほどの努力をしているか、想像すら出来ない。しかし、浅薄な中学生や高校生は、表面的な部分だけを見て、悪いことだけ模倣しようとする。先日も日本の若者が、「自分がよければいいのではないか。」と主張していた。本当の一流選手であるならば、次に繋がる世代に誤った感覚を植え付けてはならない。それだけの責任と自覚を求められるはずだ。
 『孝経』は、孔子の弟子の曾子の作といい伝えられる儒家の古典のひとつ。『論語』とならんで五経につぐ地位が与えられた。孔子と曾子の対話の形式にかりて,天子から庶人にいたるまでの各階層それぞれの「孝」のありかたが説かれている。
       平成28年8月15日 記