官茶山

         冬夜読書
                 官茶山(かんさざん)
 
雪は山堂を擁して 樹影(じゅえい)深し
憺鈴(えんれい)動かず夜沈沈
閑(しず)かに乱帙(らんちつ)を収めて疑義を思ふ
一穂(いっすい)の青灯(せいとう)万古の心

【口語訳
雪はこの山奥の書斎を包み込むように降り積もり、木々の影は深い。
軒端の鈴はことりともしない、夜は静かに更けていく。
乱れていた書物を静かに片付けて、あれこれと疑問に思ってことを考えてみる。
すると部屋の灯りがぼうっと青く輝き、 その灯りを通して古人の心が見えてくるのだ。
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※学問をする楽しみを無言のうちに教える漢詩である。雪がしんしんと降る音さえ聞こえそうである。学ぶとは、かくありたいものだ。
             平成27年3月14日 記