金子兜太(かねことうた)

          金子兜太(かねことうた)

 夏の山国母老いてわれを与太(よた)と言う 
 樫の木の真顔と冬の光かな     
 谷間谷間に万作が咲く荒凡夫(あらぼんぷ)
 手術後の医師白鳥となる夜の丘 
 水脈(みお)の果て炎天の墓碑を置きて去る
 白梅や老子無心の旅に住む
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※2月20日、戦後の前衛俳句運動の旗手として活躍した金子兜太が亡くなった。讀賣新聞が、「『水脈の果て炎天の墓碑を置きて去る』。捕虜となり、最後の復員船で帰国する際に作った句で、戦後の出発点となった。死者に何も報いることができないとの思いをずっと抱えていた。・・・」との追悼文を載せている。「白梅や老子無心の旅に住む」は、旧制水戸高校時代に読んだ句である。俳句は人生を詠んでいる。
        平成30年2月22日 記