森川許六(もりかわきょろく) 森川許六
秋も早(はや)かやにすぢかふ天の川 うの花に芦毛(あしげ)の馬の夜明哉 茶の花の香や冬枯(ふゆがれ)の興聖寺 苗代(なわしろ)の水にちりうく桜かな 水筋を尋ねてみれば柳かな もちつきや下戸(げこ)三代のゆずり臼 大髭(おおひげ)に剃刀(かみそり)の飛ぶ寒さかな ----------------------------------------------------------------------------- ※森川許六は江戸中期の彦根藩士で、蕉門十哲(しょうもんじってつ)の一人。画をよくし、画法を芭蕉に伝授した。芭蕉歿後はその正統を守った。松尾芭蕉が彼との別れの際に送った『柴門(さいもん)の辞』は、名文である。 ところで、「大髭に剃刀の飛ぶ寒さかな」の俳句があるが、「剃刀」という言葉を聞くと必ずと言っていいほど、志賀直哉の『剃刀』を思い出す。短編なので時間はかからない。是非お勧めしたい。 平成31年1月19日 記 |