くらし
石垣 りん
食わずには生きてゆけない。
メシを
野菜を
肉を
空気を
光を
水を
親を
きょうだいを
師を
金もこころも
食わずには生きてこられなかった。
ふくれた腹をかかえ
口をぬぐえば
台所に散らばっている
にんじんのしっぽ
鳥の骨
父のはらわた
四十の日暮れ
私の目にはじめてあふれる獣(けもの)の涙。
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※そうだ、我々は数え切れないほどの命に支えられてきた。しかも、それすらも意識しないで。命が命をつないできたことを、今こそしっかり認識すべきである。、そして、自分の命を粗末にしてはいけない。
平成28年4月26日 記