服部 嵐雪(はっとりらんせつ)
服部嵐雪
蒲団きて寝たる姿や東山 むつかしき中に香もありばらの花 初鰹盛ならべたる牡丹かな 洛外の辻堂いくつあきの風 痩る身をさするに似たり秋の風 老ひとつこれを荷にして夏衣 むめ一輪一りんほどのあたたかさ 木がらしに梢の柿の名残かな 正月も廿日に成て雑煮哉 来て見れば沢庵漬の石一つ この下にかくねむるらん雪仏 ------------------------------------------------------------------------------ ※松尾芭蕉が「草庵に桃桜あり。門人に其角嵐雪あり。」と称えたように、その才能は、宝井其角と拮抗していた。何事にもこだわらず、恬淡とした生き方はその作品にも現れ、平易で分かり易い。「老ひとつこれを荷にして夏衣」老いを肯定した生き方に憧れる。「むめ一輪一りんほどのあたたかさ」が特に有名である。 平成30年7月3日 記 |