藤原正彦

   「一に国語二に国語三、四がなくて五に算数はあとは十以下」
                     藤原正彦

 なぜ国語が初等教育の中心であるべきか。一番目の理由は、言語を学ぶという目的があるからです。生活をするうえでも学問をするうえでも、国語はすべての出発点です。
 二番目は、国語をきちんと学ぶことで論理的思考能力が身についていくからです。算数や数学の先生は、算数や数学を勉強することで論理的思考ができるようになると言いますが、それはウソ。それが証拠に、数学者の多くが論理的ではありません。感情的です。ディベートをする、何かを主張する作文を書く、そうしながら論理的に考える力が身に付いていくのです。
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※藤原正彦は、新田次郎と藤原ていの子どもである。長くお茶の水女子大で教鞭をとった数学者だ。その数学者が、国語の大切さを力説する。「国語をきちんと学ぶことで論理的思考能力が身についていくからです。」と述べているように、論理的思考能力は、母国語で培われる。つまり、日本人がいくら英語を勉強しても、その力は備わらないということである。ある大学の先生が、「以前と比較して英語の論文は増えたが、論理性が全くない。」と嘆いていた。だから、国語の授業時数を減らすことなど論外だ。藤原正彦は、『国家の品格』という作者でもある。 
         平成29年1月30日 記