文章軌範   

            「文章軌範」

 世に伯楽有りて、然る後に千里の馬有り。千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず。

【口語訳】
 世の中に伯楽がいたからこそ、千里を走ることのできる名馬が見出される。世間に人材があっても、発見できるだけの人物がいなければ、有能な人も埋もれてしまう。しかし、千里を走る名馬はいるが、伯楽はいつもいるとはかぎらない。
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 『文章軌範』は、宋の名作文章の選集文献で、科挙(かきょ)(中国で1300年間行われた官僚登用試験)に際し作文の模範となった。科挙で最も素晴らしい答案を一番上に置いた。そのことから、「圧巻」という言葉が生まれた。名伯楽あっての「千里の馬」。卓越した指導者との出会いが、いかに大切か分かる。この例文の主は、「千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず。 」ここにある。
          平成30年2月28日 記