山部赤人(やまべのあかひと)

        山部赤人

山部宿禰赤人が不盡山を望める歌一首  「万葉集」
  天地(あめつち)の 分かれし 時ゆ 神さびて 高く貴き
  駿河なる 布士(ふじ)の高嶺を 天の原 振り放(さ)け見れば
  渡る日の 影も隠(かく)らひ 照る月の 光も見えず
  白雲も い行きはばかり 時じくそ 雪は降りける
  語り継ぎ 言ひ継ぎ行かむ 不盡(ふじ)の高嶺は

反歌
  田子の浦ゆうち出て見れば真白にぞ不盡の高嶺に雪は零(ふ)りける
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※山部赤人は、叙景歌(じょけいか)に優れた才能を発揮した。この富士山を詠んだ歌は、中学校の教科書に取り上げられるなど特に有名である。当時、まだ「富士山」という記載ではなかったことが分かる。「布士」「不盡」「不二」などの表記が確認できる。これは、万葉仮名の音や訓を利用した表記のためである。

「万葉仮名」
 漢字の表す意味とは関係なく、漢字の音や訓をかりて国語の音を表記するのに用いた漢字。万葉集に多く用いられているので、この名がある。字音によるものとして、阿米(アメ・天)・久尓(クニ・国)・許己呂(ココロ・心)、訓によるものとして、名津蚊為(ナツカシ)・八間跡(ヤマト)・夏樫(ナツカシ)・牡鹿(シカ・助動詞)・喚雞(ツツ・助詞)などの類。   (デジタル大辞泉より)
          平成27年3月8日 記