蘇東坡(そとうば) 

  東林總長老に贈る
       蘇東坡

渓声(けいせい)便(すなは)ち是れ広長舌(こうちょうぜつ)
山色(さんしょく)清浄身(しょうじょうしん)に非ざること無し
夜来(やらい)八万四千偈(げ)
他日(たじつ)如何(いかん)が人に挙似(こじ)せん

【口語訳】
 谷川の音は釈迦の説法であり、山の姿は清浄心そのものである。昨夜来、谷川の音も、山の姿も、八万四千のお経と言われる釈迦の教えを説き続けている。この悟りを後日人にどのように語ったらよいのだろうか。
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※蘇東坡は蘇軾(そしょく)のことである。蘇軾の生涯は、追放と左遷の連続だった。最後には遠隔の地に流され、流謫(るたく)のうちに死を迎える。それにも拘わらず、蘇軾の生涯は常に楽天的であり、人生を肯定的に生きようとする姿勢に貫かれていた。その生き方を見習いたい。
          平成30年10月23日 記